ローソン加賀桑原町店強盗殺人事件|かつら・雨具・凶器を残した男は、なぜ15年以上捕まらないのか

2010年代

2010年11月3日未明。

石川県加賀市桑原町にあるコンビニエンスストアに、一人の男が入ってきた。

男は顔を隠し、頭にはかつら。

フード付きの雨具のような服を重ね、刃物を持っていた。

店内にいたのは、店長の山崎外茂治さん(当時68歳)。

男は金を要求。

山崎さんが抵抗すると、店内でもみ合いになった。

そして山崎さんは胸などを刃物で刺された。

男はそのまま逃走。

山崎さんは自ら110番通報したものの、搬送先の病院で死亡した。

事件から15年以上。

犯人の姿は防犯カメラに残っている。

着用していたとみられるかつら。

長靴。

上着。

犯行に使われた凶器。

逃走に使われたとみられる車両。

警察は、異例ともいえる量の資料を現在も公開している。

それでも――

犯人は2026年現在も特定されていない。

事件概要

  • 発生日:2010年11月3日未明
  • 場所:石川県加賀市桑原町
  • 現場:ローソン加賀桑原町店
  • 被害者:山崎外茂治さん(当時68歳)
  • 職業:同店店長
  • 事件:強盗殺人
  • 犯人:未特定
  • 主な公開資料:防犯カメラ映像、かつら、長靴、上着、凶器、使用車両
  • 2026年現在:未解決
  • 捜査特別報奨金:上限300万円

石川県警は現在も、

「ローソン加賀桑原町店における強盗殺人事件」

として専用ページを公開し、事件につながる情報を求めている。

午前3時前、深夜のコンビニに男が現れる

事件が起きたのは、2010年11月3日の午前3時前。

深夜のローソン加賀桑原町店に、刃物を持った男が入店した。

当時報道では、時刻は午前2時55分から2時57分ごろとされている。

店内には店長の山崎さんがいた。

男は山崎さんに金を要求した。

そして山崎さんが抵抗。

2人は店内でもみ合いになった。

男は山崎さんの左胸や腕付近を刃物で刺し、店から逃走したと当時報じられている。

刺された山崎さん自身が110番通報

この事件では、被害者自身が事件を通報している。

男が逃走したあと、山崎さんは自ら110番し、

刃物で刺された

ことを警察へ伝えた。

警察官が駆け付けた際、山崎さんは店内で倒れていた。

病院へ搬送されたが、およそ1時間後に死亡。

死因は失血死とされた。

つまり、この事件では犯人が逃走してから事件発覚までに何時間もの空白があったわけではない。

犯行直後から警察による捜査が始まった。

それでも犯人は現在まで逃げ続けている。

防犯カメラに残った犯人の姿

店内には防犯カメラが設置されていた。

そのため、犯人の姿は映像として残った。

石川県警は現在も、防犯カメラ映像をもとにした犯人画像を公開している。

しかし、男は素顔で店へ入ったわけではなかった。

頭部や顔。

服装。

足元。

複数の部分を隠した、あるいは外見を変えた状態だったとみられている。

事件映像が存在しているにもかかわらず身元が特定できない理由の一つが、この変装だった可能性がある。

犯人がかぶっていた「かつら」

石川県警の事件ページには、

「犯人がかぶっていたカツラ」

として独立した資料が掲載されている。

つまり、防犯カメラに映っている髪型を犯人本人の髪型だと考えることはできない。

かつらを使った目的が、

単純に顔や髪型を隠すためだったのか。

目撃証言を混乱させるためだったのか。

それとも別の理由があったのか。

その意図は明らかになっていない。

ただし、

犯行前に変装用の道具を準備していた

のであれば、突発的に起こした犯行ではなかった可能性も考えられる。

しかし警察が犯行計画の詳細を公表しているわけではないため、断定はできない。

長靴や上着まで公開

石川県警が現在公開している資料は、かつらだけではない。

事件ページには、

「犯人が履いていた長靴等」

「犯人の上着」

という資料も掲載されている。

防犯カメラ映像の人物像だけでなく、身に着けていたとみられる衣類や履物まで長期間公開されているのが、この事件の特徴である。

どこで購入されたものなのか。

事件前から犯人が所有していたのか。

犯行のために用意されたものなのか。

公開情報だけでは分からない。

2024年、凶器と同型の包丁を新たに公開

事件発生から14年となる2024年。

警察は新たな捜査情報を公開した。

それが、

犯行に使用されたものと同じ型の包丁の写真

だった。

MRO北陸放送によれば、警察は2024年10月、事件に使われたものと同型の凶器を公開し、新たな情報提供を求めた。

石川県警の現在の事件ページにも、

「現場に遺留された凶器」

として資料が掲載されている。

15年近く経過してからも、新たな資料を公開して捜査を進めていることが分かる。

使用車両についても警察が公開

犯人は店から逃走した。

そして石川県警の現在のページには、

「犯人に使われた車」

という資料も掲載されている。

つまり警察は、

犯人の姿。

衣服。

履物。

かつら。

凶器。

さらに車両。

複数の方向から情報提供を呼びかけている。

通常であれば、どれか一つから人物につながっても不思議ではないように見える。

それでも事件は解決していない。

大量の手がかりがありながら未解決

この事件は、

「手がかりがほとんどない事件」

ではない。

むしろ逆である。

防犯カメラ映像。

犯人の服装。

かつら。

長靴。

上着。

凶器。

逃走車両。

警察はこれらを現在も公開している。

事件発生から15年以上が経過しているにもかかわらず、公開情報は非常に多い。

だからこそ、

これほど材料があるのに、なぜ人物を特定できないのか

という疑問が残る。

不可解な5つのポイント

1.なぜ犯人はここまで変装していたのか

犯人はかつらを着用していたとみられている。

さらに顔や身体の特徴を判別しにくい服装だった。

偶然その格好で店へ入ったとは考えにくいようにも見える。

警察に身元を特定されないためだったのか。

防犯カメラの存在を意識していたのか。

犯行後に目撃証言から追われることまで想定していたのか。

犯人がどこまで計画していたのかは分かっていない。

2.なぜ山崎さんを刺す必要があったのか

男の目的が金銭だったのであれば、

本来の目的は現金を奪うことだったはずである。

しかし山崎さんは命を奪われた。

山崎さんが抵抗したため、犯人が動揺して刺したのか。

最初から暴力を使うつもりだったのか。

犯人本人が特定されていない以上、その心理や計画も分からない。

3.凶器まで残っているのに、なぜ人物につながらないのか

警察は事件に使われた凶器に関する資料を公開している。

凶器は非常に重要な証拠となり得る。

購入経路。

流通経路。

指紋やDNA。

さまざまな捜査が考えられる。

しかし、警察が凶器からどのような鑑定結果を得たのかは詳細に公表されていない。

証拠品があることと、その所有者を特定できることは別である。

4.犯人はなぜ工事現場からトラックを盗んだのか

犯人が逃走に使用した青いトラックは、現場から約4キロ離れた工事現場から盗まれたものだった。犯行後、トラックは乗り捨てられている。さらに逃走経路上では、犯人が身につけていたとみられるカツラや合羽も発見された。

犯人はなぜこの工事現場を選んだのか。事前にトラックの存在や、現場が無人になる時間帯を把握していたのか。犯行前の下見があったのか。その詳細は現在も明らかになっていない。

5.映像・衣類・凶器・車があって、なぜ15年以上捕まらないのか

この事件最大の疑問である。

犯人の姿だけではない。

身に着けていた物。

犯行に使われた物。

逃走に使われたとみられる物。

複数の情報が公開されている。

それでも犯人の名前へ到達できない。

犯人が事件後に石川県外へ移動したのか。

現在も国内にいるのか。

すでに死亡している可能性があるのか。

それすら分かっていない。

2025年、事件から15年

2025年11月。

事件は未解決のまま発生から15年を迎えた。

現場近くの商業施設では、石川県警の捜査員ら約20人が情報提供を呼びかけた。

犯人の等身大ポスターも掲示された。

大聖寺警察署長は、

事件は決して過去の話ではないという趣旨の言葉を述べ、現在も犯人検挙への協力を求めている。

事件から長い年月が経過しても、捜査は終わっていない。

最大300万円の捜査特別報奨金

警察庁は現在、この事件を捜査特別報奨金制度の対象事件としている。

事件解決や被疑者の検挙に結び付く有力な情報には、

上限300万円

の報奨金が支払われる可能性がある。

現在の応募期間は、

2025年12月7日から2026年12月6日まで。

情報提供先は、石川県大聖寺警察署の事件捜査本部となっている。

防犯カメラの中に残った男

2010年11月3日。

深夜のコンビニに現れた男。

頭にはかつら。

身体を覆う上着。

足元には長靴。

手には刃物。

店長の山崎外茂治さんへ金を要求し、もみ合いになった。

そして山崎さんを刺し、逃走した。

犯人の姿は映像に残った。

かつらも分かっている。

服も分かっている。

靴も分かっている。

凶器も公開されている。

車両の情報まである。

それでも、

犯人が誰なのかは15年以上分かっていない。

2010年11月3日未明。

ローソン加賀桑原町店へ現れた男は誰だったのか。

石川県警は2026年現在も、その答えにつながる情報を求め続けている。

参考資料

石川県警察「ローソン加賀桑原町店における強盗殺人事件」
警察庁「捜査特別報奨金に関する広告」
MRO「犯行に使われたものと同一の凶器公開」
MRO「報奨金の期限を1年延長」

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