鳥取市タクシー強盗殺人事件|拳銃で運転手を射殺し、17年消えた犯人はどこへ

2000年代

2009年7月17日夜。

JR鳥取駅北口のタクシー乗り場から、一人の客を乗せたタクシーが出発した。

運転していたのは、毎日タクシーの運転手・下田和雄さん。当時60歳。

それからわずか数分後。

鳥取市立川町6丁目の住宅街で、下田さんは拳銃で射殺された。

犯人はそのままタクシーを奪い、約2キロ離れた東今在家の住宅街まで走行。

午後9時50分ごろ、タクシーだけが発見された。

駅を出てから、わずか15分ほど。

車内には特徴的な靴底の足跡が残され、防犯カメラにも車両が映っていた。

さらに、犯人を目撃していた可能性のある人物も複数確認されている。

それでも事件から17年が経過した2026年現在、犯人は捕まっていない。

鳥取市タクシー強盗殺人事件とは

事件が発生したのは、2009年7月17日午後9時40分ごろ。

現場は鳥取県鳥取市立川町6丁目の住宅街だった。

被害者は、毎日タクシーの運転手だった下田和雄さん。当時60歳。

鳥取県警によると、犯人は下田さんを射殺した後、下田さんが運転していたタクシーを奪って逃走した。

タクシーは約2キロ離れた鳥取市東今在家の住宅街で乗り捨てられていた。

事件は現在も未解決で、鳥取県警は「タクシー強盗殺人事件」として捜査を続けている。

犯人はJR鳥取駅からタクシーに乗った

事件直前の犯人の動きは、かなり細かい部分まで判明している。

下田さんのタクシーは、JR鳥取駅北口のタクシー乗り場で客待ちをしていた。

午後9時34分ごろから35分ごろ、犯人を乗せて鳥取駅を出発。

県警によると、出発後には駅の障害者用乗降口付近で一時停車していたとの目撃情報もある。

つまり犯人は、どこかから突然タクシーに現れた人物ではない。

JR鳥取駅という、人の出入りがある場所からタクシーに乗車している。

午後9時38分、防犯カメラに映ったタクシー

鳥取駅を出発してから数分後。

午後9時38分ごろ、下田さんのタクシーが主要地方道鳥取国府岩美線、通称「産業道路」を東方向へ走行する様子が防犯カメラに記録されている。

この時点では、タクシーはまだ走行していた。

そして、そのおよそ2分後。

午後9時40分ごろ、立川町6丁目の住宅街で事件が起きた。

駅を出発してから発砲まで、およそ5~6分しか経過していない。

立川町6丁目で下田さんが射殺される

午後9時40分ごろ。

犯人は鳥取市立川町6丁目の住宅街で、下田さんを拳銃で射殺した。

その後、犯人は下田さんのタクシーを奪って現場を離れた。

事件後、現場付近から北方向へ走行する被害タクシーを見たという目撃情報も寄せられている。

なぜこの場所で犯行に及んだのか。

犯人が最初からこの場所を指定していたのか。

あるいは移動中に何らかの出来事があり、そこで事件になったのか。

公開されている資料だけでは明らかになっていない。

約2キロ先でタクシーだけが発見された

被害タクシーは、鳥取市東今在家の住宅街で発見された。

発見時刻は午後9時50分ごろ。

下田さんが撃たれたとされる午後9時40分ごろから、わずか10分ほどしか経過していない。

事件現場から乗り捨て場所までは約2キロ。

犯人は短時間のうちにタクシーを移動させ、その場所から姿を消したことになる。

しかし、その後犯人が徒歩で逃げたのか、別の車に乗ったのか、自転車などを利用したのか。

現在公開されている情報からは特定できない。

車内に残された特徴的な足跡

乗り捨てられたタクシーの車内からは、足跡が発見されている。

鳥取県警が公開している情報では、靴底には特徴的な模様があった。

ソールの縁には斜線状の模様。

つま先側には、ひし形の集合図形と横線。

かかと側にも、ひし形と横線の形状が確認されている。

県警は類似する靴底の参考例として、正規品であればコンバースなどに該当するものがあるとしている。

ただし、特定のメーカーや製品が犯人の靴だったと確定しているわけではない。

あくまで、似た靴底を持つ靴の一例として公開されているものだ。

犯人を見ていた可能性のある3人

事件発生直前、JR鳥取駅には、犯人を目撃していた可能性のある3人の男女がいた。

県警はこの3人をA、B、Cとして情報提供を呼びかけてきた。

3人は、午後7時46分にJR岡山駅を出発し、午後9時30分にJR鳥取駅へ到着した「スーパーいなば9号」に乗車していたとされる。

Aの女性は判明

Aとされた女性は、午後9時33分ごろに鳥取駅北口を出て、タクシー乗り場方向へ歩いていた。

犯人が乗車する直前だったため、犯人を目撃している可能性がある人物として捜されていた。

その後、県警はAの女性について**「皆様のご協力により、判明となりました」**と公表している。

BとCの男性は現在も情報提供を募集

一方、BとCの男性については、2026年現在も県警が情報を求めている。

Bの男性は、

  • 中肉
  • 黒色短髪
  • 黒系の半袖シャツ
  • 黒系のズボン
  • 白色スニーカー
  • 黒系トートバッグと白色の袋を所持

Cの男性は、

  • 中肉
  • 黒色短髪
  • 黒と白のボーダー柄半袖シャツ
  • カーキ色のズボン
  • 黒色スニーカー
  • 白色の鞄を所持

とされる。

重要なのは、この2人が犯人として捜されているわけではないという点だ。

県警は、犯人を目撃していた可能性がある人物として情報を求めている。

不可解な5つのポイント

1.犯人はなぜJR鳥取駅からタクシーに乗ったのか

犯人はJR鳥取駅北口という、人目のある場所からタクシーに乗っている。

計画的な犯行だったのであれば、なぜ防犯カメラや目撃者が存在する可能性の高い駅を利用したのか。

逆に、最初から殺害を計画していたわけではなかった可能性も考えられる。

しかし、犯人の目的や犯行に至った経緯は判明していない。

2.駅を出てから数分で何が起きたのか

タクシーが鳥取駅を出発したのは午後9時34~35分ごろ。

防犯カメラに映ったのが午後9時38分ごろ。

そして事件発生は午後9時40分ごろ。

極めて短い時間の中で犯行が起きている。

タクシー車内でどのような会話があったのか。

立川町6丁目が犯人の指定した目的地だったのか。

その詳細は分かっていない。

3.なぜ犯人はタクシーを約2キロだけ移動させたのか

犯人は下田さんを射殺した後、タクシーを奪った。

しかし、長距離を逃走するためには使っていない。

約2キロ離れた東今在家で車両を乗り捨てている。

そこがあらかじめ決めた場所だったのか。

別の交通手段を準備していたのか。

偶然その場所でタクシーを捨てたのか。

公開資料からは判断できない。

4.特徴的な足跡がありながら、なぜ人物を特定できないのか

犯人が使用した可能性のある靴底の特徴は、現在も県警サイトで公開されている。

足跡という具体的な手がかりが存在する一方、その情報だけで個人を特定することは難しい。

事件から長い年月が経過した現在、その靴自体が残っているかどうかも分からない。

それでも県警が現在まで公開し続けていることから、重要な手がかりの一つであることが分かる。

5.17年経過しても拳銃はどこにあるのか

犯行には拳銃が使用された。

日本国内では拳銃の所持が厳しく規制されている。

そのため、犯人がどのように拳銃を入手したのか、事件後にどこへ移したのかという点も重要になる。

鳥取県警は現在も、拳銃を所持している人物や、拳銃を持っていると話していた人物などについて情報提供を求めている。

2026年も捜査特別報奨金の対象

事件は現在も警察庁の「捜査特別報奨金制度」の対象となっている。

2026年2月5日から2027年2月4日まで、犯人の検挙や事件解決につながる有力な情報について、最大300万円の報奨金が設定されている。

この事件が初めて同制度の対象となったのは2023年2月5日。

その後も毎年延長され、2026年には4回目の指定となった。

鳥取県警は2026年2月5日にもJR鳥取駅周辺などで街頭広報を実施し、情報提供を呼びかけている。

情報提供先

情報提供先は、鳥取警察署内の「タクシー強盗殺人事件捜査本部」。

情報提供専用フリーダイヤル
0120-110-572

鳥取警察署代表
0857-32-0110

鳥取県警は、直接犯人を見たという情報だけではなく、事件前後で様子が変わった人物や、当時拳銃について話していた人物など、間接的な情報についても提供を求めている。

わずか15分の中に残された手がかり

犯人がJR鳥取駅からタクシーに乗った午後9時34~35分ごろ。

下田さんが殺害された午後9時40分ごろ。

そしてタクシーが発見された午後9時50分ごろ。

事件の主要な動きは、わずか15分ほどの間に集中している。

防犯カメラに残されたタクシー。

事件直前に駅を歩いていた人々。

乗り捨てられた車内に残された足跡。

そして、犯行に使われた拳銃。

決して手がかりが存在しない事件ではない。

それでも、犯人は17年間姿を消したままだ。

事件当時は重要ではないと思われた記憶でも、現在の捜査と結びつく可能性がある。

JR鳥取駅周辺で見かけた人物。

立川町6丁目や東今在家で見た車、人、自転車。

事件前後に突然行動が変わった人物。

17年前の小さな記憶が、犯人へつながる最後の手がかりになる可能性はまだ残されている。

参考資料

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