2023年11月9日午前3時10分ごろ。千葉県松戸市古ケ崎の静かな住宅街で、一人の女性の悲鳴が響いた。
近隣住民が外を見ると、女性が2人の男から暴行を受けていた。110番通報を受けて警察官が駆け付けると、住宅の玄関前には、頭や顔から血を流した女性が倒れていた。
女性は病院へ搬送されたが、死亡が確認された。亡くなったのは、この家に住む中国籍の林垚潔(リン・ギョウケツ)さん(当時33歳)。
司法解剖の結果、死因は頭部損傷による出血性ショック。頭蓋骨は骨折し、顔や両腕には多数の打撲痕が残されていた。
警察は、林さんが帰宅するのを待っていた2人が、鈍器のようなものを使って短時間に何度も殴った可能性があるとみて捜査を開始した。
しかし、事件から約3年が経過した2026年9月現在も、千葉県警はこの事件を未解決事件として公式サイトに掲載している。
2023年11月9日午前3時10分
事件が発生したのは、2023年11月9日の未明。場所は千葉県松戸市古ケ崎の住宅街、JR常磐線北松戸駅から西へ約1.5キロの一戸建てが立ち並ぶ地域だった。
午前3時10分ごろ、「女性が2人の男に殴られている」という趣旨の110番通報が入った。警察官が現場へ向かうと、住宅の玄関前で女性が血を流して倒れていた。
女性は意識不明の状態で病院へ運ばれたが、その後死亡した。事件直後の時点では女性の身元は確認中だったが、その後、この住宅に住む中国籍の林垚潔さん、33歳と判明した。
近隣住民によれば、林さんはこの家に5年ほど前から住んでおり、会えば挨拶を交わす明るい人柄だったと伝えられている。
2人の若い男
目撃されたのは、若い男2人だった。事件直後に公表された特徴では、1人は、
- 身長約180センチ
- がっちりした体格
- ジャンパーを着用
- キャップ帽を着用
もう1人は、やせ型の若い男とされている。
2人は林さんへの暴行後、現場から走って逃げたとみられている。千葉日報は、男らが江戸川方面へ逃走したとして捜査が進められていたと報じている。事件が起きた古ケ崎は、江戸川にも近い住宅地である。
だが、2人がその後どこへ向かったのかについて、現在までに逮捕につながる情報は公表されていない。
林さんは帰宅した直後に襲われたのか
捜査で注目されたのが、犯行が偶然だったのか、それとも林さんを狙ったものだったのかという点だった。
捜査関係者への取材では、林さんは車で帰宅した直後に襲われた可能性があると報じられている。さらに、男2人が林さんの帰宅を待ち伏せしていた疑いも浮上した。
事件発生時刻は午前3時すぎ。偶然その時間、その住宅の前に2人の男がいたのか。それとも、林さんが帰宅する時間を把握していたのか。
現在公開されている千葉県警の未解決事件ページでは、犯人と林さんの関係や、具体的な犯行計画については明らかにされていない。したがって、「計画的犯行だった」と断定することはできない。確認できるのは、警察が待ち伏せの可能性を含めて捜査していたというところまでである。
短時間に何度も殴られていた
司法解剖によって、林さんの死因は頭部損傷による出血性ショックと判明した。頭蓋骨には骨折があり、顔と両腕にも多数の打撲痕が確認された。
毎日新聞の報道では、逃走した男らが鈍器のようなものを使い、林さんに馬乗りになって執拗に暴行を加えていたと伝えられている。捜査本部は、林さんが鈍器のようなもので数分間のうちに何度も殴られたとみている。
一度殴っただけではなかった。短い時間に、頭部を中心として繰り返し攻撃が加えられていた。両腕に打撲痕があったことも報じられているが、それがどのような状況で付いたものなのかについて、公開情報だけから断定することはできない。
100人態勢の捜査本部
事件翌日の11月10日。千葉県警は松戸警察署に100人態勢の捜査本部を設置した。松戸署で記者会見した千葉県警捜査一課の粕谷高弘課長は、殺人事件として捜査する方針を明らかにした。
殺人事件として、
- 現場周辺の防犯カメラ
- 逃走した2人の足取り
- 林さんの周囲の人間関係
- 事件につながる可能性のあるトラブル
などについて捜査を進めた。事件発生直後から、比較的大規模な捜査態勢が組まれていたことが分かる。それでも、2026年現在までに犯人の逮捕は公表されていない。
犯行現場は自宅の玄関前
林さんが倒れていたのは、自宅から離れた路上ではない。自宅の玄関前だった。帰宅した直後に襲われたのであれば、あとわずかで家の中に入るという場所だったことになる。
当時の報道では、現場周辺に免許証など林さんの所持品が散乱していたことも伝えられている。一方、金品が奪われた形跡は確認されなかったとも報じられている。ただし、これだけで犯行目的を判断することはできない。
ただし、その所持品が暴行の際に落ちたものなのか、犯人が何かを探した結果なのかなど、具体的な意味について警察は公表していない。
なぜ2人だったのか
この事件では、犯行現場から逃走した人物が1人ではなく2人だった。ここにも大きな疑問が残る。
2人はどのような関係だったのか。一緒に林さんを狙ったのか。どちらか一方が中心となった犯行だったのか。林さんと面識があった人物は含まれていたのか。
現在公表されている資料からは分からない。犯人像について確認できるのは、事件当時に目撃された身体的特徴と、2人が現場から逃走したということまでである。
動機は分かっていない
林さんはなぜ殺害されたのか。
事件後、警察は「何らかのトラブルに巻き込まれた可能性」も視野に、人間関係などを調べていた。しかし、これは特定の人物とのトラブルが犯行原因と確定したという意味ではない。現在の千葉県警公式ページにも、犯行動機や犯人との関係は記されていない。
インターネット上では、仕事、金銭、人間関係などさまざまな説が語られている。だが、その多くは公式に確認されたものではない。本稿では、事件の動機については不明とする。
午前3時の住宅街で起きた犯行
事件が起きたのは午前3時10分ごろ。多くの住民が眠っていた時間帯だった。
それでも、林さんの悲鳴や暴行を目撃した人物がいたことで、警察への通報につながった。逃げた男たちの特徴も残った。事件の発生時刻も分かっている。被害者が帰宅直後に襲われた可能性も把握されている。
それでも、犯人にたどり着けていない。目撃者が存在することと、人物を特定できることは同じではない。身長や体格、服装だけでは、同じ特徴を持つ人物は数多く存在する。そして時間が経つほど、事件当時の服装や外見から現在の人物を結び付けることは難しくなる。
事件から約3年
2023年11月9日に起きた事件から、2026年9月で約2年10か月が経過した。
しかし、千葉県警が現在公開している「殺人・強盗等重要凶悪事件」の未解決事件一覧には、「松戸市古ケ崎における中国人女性殺人事件」が今も掲載されている。
掲載内容は簡潔だ。発生日は2023年11月9日。発生場所は千葉県松戸市古ケ崎。被害者は外国人女性、当時33歳。そして、住宅街で外国人女性が被害者となる殺人事件が発生したと記されている。
つまり、事件は過去のニュースとして終わったわけではない。現在も千葉県警が情報を求める未解決事件である。
2人の男はどこへ消えたのか
午前3時。帰宅したとみられる33歳の女性。住宅の前にいた2人の男。短時間に繰り返された暴行。そして、現場から走って逃げる2人。
事件の直後には、目撃情報もあった。大規模な捜査本部も設置された。周辺の防犯カメラも調べられた。それでも、2人の名前は現在まで公表されていない。
犯人たちは、なぜ林さんを襲ったのか。なぜ2人で行動していたのか。なぜ林さんが帰宅する時間に現場にいたのか。そして、事件後どこへ消えたのか。2026年現在も、その答えは明らかになっていない。
千葉県警は現在も情報を求めている
千葉県警は、この事件を第3方面の未解決事件として掲載している。情報提供先は、
- 千葉県松戸警察署 刑事第一課:047-369-0110
事件当日の未明、古ケ崎周辺で不審な人物を見た。2人組の男を見かけた。不自然な車両を見た。事件について誰かから話を聞いた。そうした当時の情報が残っている場合、警察への情報提供が事件解決につながる可能性がある。
2023年11月9日午前3時。住宅街から走り去った2人の男。その足取りは、今も途切れたままである。
参考資料
千葉県警察「殺人・強盗等重要凶悪事件」
本件が2026年現在も「松戸市古ケ崎における中国人女性殺人事件」として未解決事件一覧に掲載されていること、発生日・場所・被害者年齢・情報提供先を確認。
千葉県警察「殺人・強盗等重要凶悪事件」
千葉日報「女性が顔を殴られ死亡 男2人逃走か、千葉・松戸」
事件発覚時刻、現場、目撃された男2人の特徴などを確認。
千葉日報・2023年11月9日報道
千葉日報「松戸女性殺害 待ち伏せ襲撃か」
帰宅を待ち伏せした可能性、司法解剖結果、100人態勢の捜査本部設置、逃走方向などを確認。
千葉日報・2023年11月10日報道
共同通信「鈍器で数分間殴り逃走か、千葉」〔千葉日報掲載〕
被害者氏名、頭部損傷による出血性ショック、頭蓋骨骨折、顔・両腕の多数の打撲痕などを確認。
共同通信・千葉日報掲載記事
日刊スポーツ「中国籍の女性、男2人に顔面など殴られ死亡か」
事件直後の状況、逃走した男2人の特徴などを確認。
日刊スポーツ・2023年11月9日報道


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