1997年3月15日夜。香川県立高校1年生だった真鍋和加さん(当時16歳)は、アルバイト先の旧ローソン詫間駅前店を出たあと、行方が分からなくなった。
翌16日、当時の香川県仲多度郡琴南町、現在のまんのう町の山中で、和加さんの遺体が発見された。死因は、首を絞められたことによる窒息死だった。
警察は、何者かが和加さんを殺害し、山中へ遺棄した事件として捜査を開始した。しかし、事件から29年が経過した2026年現在も犯人は特定されていない。
それでも捜査は終わっていない。2026年3月には、香川県警本部長自身が捜査員とともに現場へ入り、和加さんの靴が発見された三豊市の朝日山森林公園や、遺体が見つかったまんのう町の山林を改めて捜索した。
香川県警が現在使用している事件名は、「旧琴南町山中における女子高生被害の殺人死体遺棄事件」である。
事件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 行方不明 | 1997年3月15日夜 |
| 遺体発見 | 1997年3月16日、旧琴南町(現・まんのう町)の山中 |
| 被害者 | 真鍋和加さん(当時16歳、県立高校1年生) |
| 死因 | 絞殺(窒息死) |
| 靴発見 | 1997年3月21日、三豊市高瀬町下麻・朝日山森林公園 |
| 捜査投入人数 | 2026年3月までに延べ約6万3000人 |
| 犯人 | 未特定 |
| 懸賞金 | 最大100万円(2026年8月現在、他2事件と合同募集) |
| 2026年現在 | 未解決、香川県警本部長らが現場を再捜索 |
時系列
1997年3月15日夜 ― 行方不明 和加さんはこの日、アルバイトをしていた旧ローソン詫間駅前店を出たところまで確認されている。警察は、その直後に何者かが車で和加さんを連れ去り、殺害したとみている。しかし、誰と会ったのか、どのような車に乗ったのか、その夜どのような経路で旧琴南町の山中へ至ったのかについて、現在公開されている県警の一次資料に詳しい説明はない。
3月16日 ― 遺体発見 旧琴南町の山中で和加さんの遺体が発見された。行方不明となってから一日足らずという短い時間の中で、一連の犯行が行われたことになる。ただし、殺害された正確な時刻や場所など捜査上の詳細は、現在も公表されていない。
3月21日 ― 靴の発見 アルバイト先から南東に約12キロ離れた、標高238メートルの朝日山森林公園の駐車場脇の植え込みから、和加さんの左足の靴が発見された。遺族の確認と警察犬による鑑定で本人のものと確認されている。遺体発見場所とは別の場所から所持品が見つかったことは、犯行後の人物の移動や事件全体の経緯を考えるうえで重要な手掛かりとされるが、誰がどのような目的でその場所へ靴を残したのかは、現在も明らかになっていない。
2010年以降 ― 情報提供の呼びかけ 殺人罪の公訴時効が撤廃されたこの年以降、香川県警は毎年、情報提供の呼びかけを行ってきた。和加さんの母・真鍋明美さんは、この呼びかけに欠かさず参加してきたという。
2022年 ― 母の死 明美さんは事件の解決を見ることなく、73歳で亡くなった。かつて取材に対し、「警察の人には悪いけど、捕まえるよりも自分から出てきてほしい。出てきて手を合わせてほしい。そうしたら私もそれ以上のことは言わない」と語っていたことが記録されている。同じ年、事件発生から25年の節目に退官を迎えた捜査幹部の一人は、「今のスキルで捜査をしていれば、捕まっていたかもしれない」と振り返っている。
2025年 ― 名古屋の事件、捜査への影響 名古屋市で26年前に発生した女性殺害事件の容疑者が逮捕されたことなどを踏まえ、長期未解決事件でも新たな証拠や情報によって解決する可能性があるとして、事件を風化させない目的も含め、改めて手掛かりを探す動きにつながったとされている。2025年8月以降にこの事件について寄せられた情報は6件だった。
2026年3月6日 ― 県警本部長による再捜索 香川県警の小林雅彦本部長と捜査員約20人が、朝日山森林公園の斜面を熊手などを使って改めて捜索した。同日、和加さんの遺体が発見されたまんのう町の雑木林でも捜索が行われた。小林本部長は、30年近く経過しても被害者や遺族の悲しみは時間で消えるものではないとして、情報提供を呼びかけた。
2026年8月1日 ― 懸賞金制度の延長 香川県警は、この事件を含む未解決殺人事件3件について、引き続き情報提供を募集すると発表した。犯人逮捕につながる最も有力な情報の提供者には、事件ごとに最大100万円の懸賞金が支払われる。懸賞金は各事件の「被害者の会」が支払い、一般財団法人香川県警察協会が制度を支援しており、2026年8月にさらに1年間延長された。なお、対象3事件を合わせてこれまで寄せられた情報は380件だが、事件解決には至っていない。
情報提供先
- 琴平警察署:0877-75-0110
- 三豊警察署:0875-72-0110
- 香川県警捜査第一課 情報提供用フリーダイヤル:0120-120-016
県警公式ページには、情報提供専用メールアドレスも掲載されている。
未詳録の記録として
29年間で延べ約6万3000人の捜査員が投入されながら、犯人には至っていない。それでも2026年、県警トップ自らが現場へ入り、遺体発見場所と靴発見場所の双方を改めて調べた。過去に見落とされたもの、当時は意味を持たなかった記憶が、現在の捜査資料と結びつく可能性は排除されていない。
真鍋和加さんが殺害された経緯、そして靴だけが遺体発見場所とは別の場所に残されていた理由は、2026年現在も明らかになっていない。


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