熊谷市原島地内たばこ店強盗殺人事件|朝5時45分、自販機の脇に立っていた学生風の男――5時間後、80歳の店主が殺害された

1990年代

1999年3月1日、月曜日の午前10時40分ごろ。埼玉県熊谷市原島のたばこ店で、店を営んでいた80歳の女性が何者かに胸などを刺されて殺害され、店の現金が奪われました。

埼玉県警が今も公開している事件のページには、ひとつ気になる目撃情報が書かれています。その日の朝5時45分ごろ、店の正面にある自動販売機の脇に、学生風の若い男が、人目を避けるようにたたずんでいたというのです。

事件の5時間ほど前に店の前にいた、その男は誰だったのか。27年たった今も、犯人は分かっていません。

事件概要

項目内容
事件名熊谷市原島地内たばこ店強盗殺人事件
発生1999年3月1日(月)午前10時40分ごろ
場所埼玉県熊谷市原島のたばこ店(木造平屋建ての店舗併用住宅)
被害者店を経営していた女性(当時80歳)
被害胸などを刺されて死亡、現金を奪われる
参考情報同日午前5時45分ごろ、店の前の自動販売機の脇に学生風の若い男
捜査埼玉県警 熊谷警察署
現在未解決

国道から少し入った小さなたばこ店

現場は、秩父鉄道の石原駅から北へ約1.6キロ。国道407号から東へ50メートルほど入った市道沿いにある、木造平屋建ての店舗併用住宅でした。表で小さなたばこ店を営み、奥で暮らす。80歳の女性は、そんなお店を一人で切り盛りしていたのかもしれません。

県警のページには、現場の周りの地図も載っています。大きな通りに面した店ではなく、幹線道路から少し入った、地元の人が通う店だったことがうかがえます。

月曜の朝、店で起きたこと

埼玉県警によれば、事件は午前10時40分ごろに起きました。女性は胸などを刺されて殺害され、店の現金が奪われています。県警はこの事件を強盗殺人として捜査しています。

ただ、奪われた金額や使われた刃物、誰が女性を見つけたのか、犯人が店のどこから入ったのかといったことは、県警のページには書かれていません。公開されている情報は、とても少ないのです。

自販機の脇にいた学生風の男

その少ない情報の中で、県警が「参考情報」としてわざわざ載せているのが、早朝の目撃情報です。

事件の日の午前5時45分ごろ、店の正面に置かれた自動販売機の脇に、人目を避けるようにたたずむ若い男がいました。

項目目撃された男の特徴
年齢17〜18歳くらい
身長168センチくらい
体格痩せ型
上着黒っぽい紺色の、膝までのダウンコート
ズボン白っぽい色
印象一見して学生風

県警はこの男を「犯人」とは書いていません。あくまで参考情報として、寄せられた目撃情報を載せているのです。

捜査と謎・数々の説

警察の動向

埼玉県警は、この事件を県の「未解決凶悪事件一覧」の平成11年の欄に載せ、熊谷警察署で情報を受け付けています。事件のページは2025年12月にも更新されました。県警は、犯人を知っている人だけでなく、現場の近くで不審な人や車を見た人、事件について話したいことがある人からも情報を求めています。

残された謎

最大の謎は、朝5時45分の男と、10時40分の事件がつながっているのかどうかです。2つの時刻の間には、5時間ほどの開きがあります。犯行の直前に逃げていく人が見られたわけではなく、事件のずっと前に、店の前にいた人が見られていたのです。

もう一つの謎は、犯人がどうやって店に入ったのかです。午前10時40分なら、店は開いていたはずです。犯人は客を装って入ってきたのでしょうか。店と住まいが一つの建物だったので、女性が店先で襲われたのか、奥の住まいで襲われたのかも、公表されていません。

説1:朝の男が下見をしていた

男が早朝から店の前にいたのは、店の様子をうかがうためだったのではないかという見方です。人目を避けるように立っていたという目撃情報は、そう考えると説明がつきます。ただし、それならなぜ5時間も後に事件を起こしたのかという疑問が残ります。

説2:朝の男は事件とは関係がなかった

男はたまたまその場にいただけで、事件とは関係がなかったという見方もあります。私は、この可能性も十分にあると考えています。理由は次の考察で書きます。

未詳録の考察

私がこの事件でいちばん気になったのは、男がいた場所が「たばこ店の自動販売機の脇」だったことです。

1999年当時、たばこの自動販売機には、年齢を確かめるためのカード(taspo)はまだありませんでした。taspoが全国で導入されたのは、2008年のことです。つまり当時は、未成年でも自販機でたばこを買えてしまったのです。

月曜日の朝、6時前。17、18歳くらいの学生風の若者が、たばこ店の自販機の脇に、人目を避けるように立っていた。そう聞くと、私には、こっそりたばこを買いに来た高校生の姿も思い浮かんでしまいます。人目を避けていたのは、事件のためではなく、未成年でたばこを買うところを見られたくなかったからなのかもしれません。

もちろん、これは私の想像です。男が事件に関わっていた可能性も、関わっていなかった可能性も、どちらも否定できません。ただ、県警がこの目撃情報を「参考情報」として載せている以上、この男を犯人のように見るのは早すぎると思うのです。むしろ、もしこの男が事件と関係のない人だったなら、その人は早朝の店の様子を見ていた、貴重な目撃者だったことになります。

一方で、事件が起きたのが午前10時40分という明るい時間だったことも見逃せません。開いている店に、客を装って入ってきた人物の犯行だったのではないでしょうか。だとすれば、その時間に店の近くを通った人や、店に出入りする人を見た人がいたはずです。27年前の月曜日の朝の記憶を、誰かがまだ持っているかもしれないと考えます。

事件がもたらした影響・結末

一人で店を営む高齢者の安全

この事件は、高齢の店主が一人で店に立つことの危うさを示しています。昼間の営業中でも、客の少ない時間帯には店主が一人きりになります。防犯カメラや通報ボタン、近所の人との声のかけ合いなど、小さな店でもできる備えの大切さを考えさせられます。

時効のない事件として

1999年に起きたこの事件は、当時の法律のままなら2014年3月に公訴時効を迎えていました。2010年に殺人罪や強盗殺人罪の時効が撤廃されたことで、今も捜査を続けることができるのです。

事件は現在も未解決

2026年10月現在、犯人は分かっていません。

情報提供先

埼玉県警察 熊谷警察署 刑事課
電話:048-526-0110(代表)

未解決凶悪事件情報提供フリーダイヤル
電話:0120-754-555

県警の事件ページからは、暗号化された情報提供フォームも使えます。目撃された男に似ているというだけで、特定の人を犯人のように扱うことはせず、心当たりがあれば警察に直接伝えてください。

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参考資料

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