2018年1月1日、茨城県つくば市東平塚。
正月のあいさつに訪れた親族が、住宅の2階で夫婦を発見した。
亡くなっていたのは、この家に住む小林孝一さん(当時77歳)と、妻の小林揚子さん(当時67歳)。
二人は頭部などを鈍器のようなもので何度も殴られており、死因はいずれも失血死だった。
夫婦が最後に生存していたことが確認された時間と、その後に自宅を訪れた人物への応答がなかった時間から、犯行時間帯はある程度まで絞り込まれている。
さらに、住宅2階のベランダには血痕が残されていた。
犯人は、ここから逃げたのか。
事件発覚から8年以上が経過した2026年9月現在も、犯人は逮捕されていない。
茨城県警は事件を未解決凶悪事件として公開し、現在も情報提供を求めている。
2018年元日、住宅の中で夫婦を発見
事件が発覚したのは、2018年1月1日午後4時35分ごろ。
茨城県警によると、つくば市東平塚にある小林孝一さんの自宅で、孝一さんと妻の揚子さんの遺体が発見された。
孝一さんは77歳、揚子さんは67歳だった。
県警は殺人事件として捜査本部を設置した。
共同通信によると、発見したのは年始のあいさつに訪れた次女だった。
新しい年が始まったばかりの元日。
家族を訪ねてきた親族が目にしたのは、すでに殺害されていた父と母だった。
二人は鈍器のようなもので何度も殴られていた
テレビ朝日などの報道によると、小林さん夫婦は住宅の2階で発見された。
二人の頭部などには、鈍器のようなもので複数回殴られた痕があり、死因はいずれも失血死だった。
共同通信は、頭部を中心に数カ所から十数カ所の殴打痕があったと報じている。
一度の攻撃で終わったものではなかった。
何者かが住宅内で夫婦を繰り返し殴打し、二人の命を奪ったとみられている。
凶器そのものや、なぜこれほどの攻撃が加えられたのかについて、現在公開されている茨城県警の事件ページには詳しい説明はない。
夫婦が最後に確認された12月30日の夜
事件が発覚したのは元日だった。
しかし、捜査によって実際の犯行はそれより前に行われたとみられている。
共同通信によれば、小林さん夫婦は2017年12月30日午後7時30分ごろまで生存していたことが確認されている。
そして翌31日午前7時ごろ、揚子さんの知人が自宅を訪れたものの、応答がなかった。
茨城県警は、この間のおよそ12時間に二人が襲われたとみている。
テレビ朝日も、警察が12月30日から1月1日にかけて殺害されたとみていると報じている。
つまり犯行の中心となる時間帯は、大晦日を迎える直前の夜から翌朝にかけてだった可能性が高い。
約12時間の空白
時系列を整理すると、事件には重要な「空白」がある。
2017年12月30日午後7時30分ごろ
夫婦の生存が確認される。
共同通信によれば、二人は近くのスーパーから帰宅していた。
12月31日午前7時ごろ
揚子さんを訪ねてきた知人に対する応答がなかった。
2018年1月1日午後4時35分ごろ
年始のあいさつに訪れた親族によって、夫婦の遺体が発見された。
警察が注目したのは、12月30日の夜から翌朝までの時間だった。
年末の夜、この家で何が起きたのか。
その詳細は今も明らかになっていない。
2階ベランダに残された血痕
犯人の動きを考えるうえで重要な手掛かりとなったのが、住宅2階のベランダだった。
共同通信によると、ベランダには血痕が残されており、警察は犯人がここから逃走した可能性があるとみて捜査していた。
通常、住宅への出入りで真っ先に想像するのは玄関や1階の窓だろう。
しかし、この事件では2階ベランダに犯行と関連する可能性のある痕跡が残されていた。
犯人はなぜそこを通ったのか。
最初から2階を出入口として選んだのか。
それとも、犯行後に別の経路を避けてベランダへ向かったのか。
公開されている捜査資料だけでは分からない。
「はしごで2階へ侵入した」という長男の説明
2024年、FNNプライムオンラインは、小林さん夫婦の長男・照幸さんへの取材を報じている。
照幸さんの説明では、犯人は外からはしごを使って2階ベランダへ上がり、施錠されていなかった窓から住宅内へ侵入したとされる。
さらに犯行後は、ベランダから屋根を伝って逃走したとみられているという。
ただし、ここは注意が必要だ。
茨城県警が現在公開している事件概要には、「犯人がはしごを使って侵入した」との記載はない。
そのため未詳録では、これを県警によって正式発表された確定事項とは扱わず、遺族である長男が取材に対して説明した内容として区別する。
一方、2階ベランダに血痕が存在し、警察がそこからの逃走を想定していたことは共同通信でも報じられている。
孝一さんは寝室、揚子さんは廊下
FNNの2024年の取材では、長男の照幸さんが、父親は寝室、母親は廊下で亡くなっていたと当時の状況を語っている。
夫婦がなぜ別々の場所で倒れていたのか。
揚子さんが襲撃から逃れようとしていたのか。
それとも別の経緯があったのか。
そこから犯行の具体的な流れを断定することはできない。
本人がどのように動いたのかを示す決定的な情報は、公開されていないためだ。
犯行目的は分かっていない
なぜ小林さん夫婦は殺害されたのか。
金品が目的だったのか。
夫婦のどちらかに何らかの関係があった人物による犯行だったのか。
偶然狙われたのか。
2026年現在も、犯行動機は明らかになっていない。
2024年のFNN取材では、孝一さんの妹が、事件前に孝一さんへ渡したという現金について、事件後に見つからなかったと証言している。
しかし、これだけで「金銭目的の強盗殺人だった」と判断することはできない。
現在の茨城県警の公式ページも犯行目的について断定しておらず、
付近で不審な人や車を見なかったか
現場方面へ向かう、または現場方面から離れる人や車を見なかったか
小林さん夫婦について何か知らないか
と幅広く情報を求めている。
事件前にも不審な出来事があったという証言
長男の照幸さんはFNNの取材に対し、事件以前にも、
新聞がなくなったことがあったことや、ガラスを割られたことがあった
と話している。
これらが殺人事件と関係していたのかは分からない。
偶然起きた別の出来事だった可能性もある。
少なくとも現在公開されている警察資料では、これらを犯人による事前行動とは位置付けていない。
そのため、事件との関連は未確認の情報として扱う必要がある。
犯人像につながる情報はほとんど公表されていない
この事件では、具体的な不審人物の似顔絵や服装は公開されていない。
犯人の性別。
年齢。
人数。
使用された凶器。
現場へ来た方法。
逃走後の足取り。
こうした核心部分の多くは、現在の公式資料では公表されていない。
残されているのは、殺害された夫婦と、犯行時間帯、住宅内の痕跡、そして情報提供を求め続ける警察と遺族の存在である。
事件から8年、捜査は現在も続いている
時間が経過しても、事件は捜査対象から外れていない。
2025年12月にも、事件から8年を迎えるのを前に、遺族と警察官がつくば市内でチラシを配り、情報提供を呼び掛けた。
長男の照幸さんは、事件解決への期待を語っている。
茨城県警の公式サイトでも、この事件は現在も**「未解決凶悪事件」**として掲載されている。
元日に発見された事件。
しかし、犯行そのものはその前の静かな年末の夜に始まっていた可能性が高い。
誰が小林さん夫妻の家を訪れたのか。
なぜ二人を繰り返し殴ったのか。
そして、なぜ2階のベランダに犯行と関係する血痕が残されたのか。
8年以上が経った今も、その答えは見つかっていない。
最大100万円の私的懸賞金
この事件では現在、最大100万円の私的懸賞金が設定されている。
提供しているのは、
「小林孝一さん、小林揚子さん被害の殺人事件の捜査に協力する会」
で、事件の解決や犯人逮捕につながる情報について、寄与の程度に応じて最大100万円が支払われる。
現在の応募期間は、
2024年1月15日から2027年1月14日まで
となっている。
したがって、2026年9月18日現在も懸賞金制度は継続中である。
茨城県警は現在も情報を求めている
茨城県警は、
現場付近で不審な人物や車を見た
現場方面へ向かう、または現場方面から来る人物や車を見た
小林さん夫婦について知っていることがある
事件当時、夫婦を実際に見た、会った
などの情報を幅広く求めている。
情報提供先は、
つくば警察署捜査本部
フリーダイヤル:0120-144-559
つくば警察署
029-851-0110
茨城県警察本部捜査第一課
029-301-0110
とされている。
事件当時は重要だと思わなかった記憶でも、別の証拠と組み合わさることで意味を持つ可能性がある。
2017年12月30日の夜から翌朝にかけて、東平塚周辺で不自然な人や車を見た。
事件について誰かから話を聞いた。
小林さん夫婦について、警察にはまだ伝えていないことがある。
そうした情報が、8年以上止まったままの事件を動かす手掛かりになるかもしれない。
元日の住宅で見つかった二人。
犯人はどこから入り、どこへ消えたのか。
その答えは、現在も明らかになっていない。
参考資料
茨城県警察「つくば市東平塚地内における高齢夫婦被害殺人事件」
事件発覚日時、被害者氏名・年齢、現在の情報提供先などを確認。
茨城県警察・事件詳細ページ
茨城県警察「情報提供をお願いします」
私的懸賞金100万円、事件発生期間、情報提供先などを掲載した公式チラシ。
茨城県警察・情報提供チラシ(PDF)
茨城県警察「謝礼金提供規約」
最大100万円の私的懸賞金と、2027年1月14日までの応募期間を確認。
茨城県警察・私的懸賞金規約
共同通信「茨城高齢夫婦殺害事件」
発見者、犯行時間帯、死因、ベランダの血痕など、捜査で判明した経緯を確認。
共同通信ニュース用語解説(コトバンク掲載)
テレビ朝日「茨城・高齢夫婦殺害事件からまもなく8年」
2025年12月時点でも未解決であり、遺族と県警が情報提供を呼び掛けていることを確認。
テレビ朝日・2025年12月13日報道
FNNプライムオンライン「高齢夫婦殺害事件から6年」
長男の証言、住宅2階からの侵入・逃走に関する説明、事件前の不審な出来事などを確認。
FNNプライムオンライン・2024年4月24日報道


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