1998年3月2日の夜。
大分県大分市松岡にあった松岡郵便局の敷地内で、当時郵便局長だった**大津豊記さん(57歳)**が何者かに襲われた。
大津さんは胸などを鋭利な刃物で刺され、死亡。
犯人は、通帳などが入った手提げバッグを奪って逃走した。
報道によれば、現場には約25センチのスニーカーの足跡が残され、郵便局の西側道路では大津さんの血痕も見つかったという。
警察は長年、単独犯による金品目的の犯行との見方で捜査を続けているが、犯人につながる決定的な手掛かりは得られていない。
事件から28年となった2026年3月にも、大分県警は現場周辺やJR大分駅で情報提供を呼びかけた。
投入された捜査員は延べ約9万1000人。
それでも、事件は現在も未解決のままだ。
事件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生日時 | 1998年(平成10年)3月2日(月)夜 |
| 発生場所 | 大分県大分市松岡の特定郵便局・敷地内 |
| 被害者 | 報道では大津豊記さん |
| 年齢 | 当時57歳 |
| 職業 | 松岡郵便局長 |
| 事件種別 | 強盗殺人事件 |
| 凶器 | 刃物(報道では鋭利な刃物とみられる) |
| 被害品 | 手提げバッグなど |
| 現在 | 未解決 |
| 捜査 | 大分東警察署捜査本部 |
大分県警は現在も本事件を「大分市松岡で発生した強盗殺人事件(平成10年3月発生)」として、公式サイトの「事件捜査にご協力を」のページに掲載している。同ページは2025年12月10日に更新されており、事件の詳細はPDF資料として公開されている。
なお、県警の公式資料は事件を「大分市松岡の特定郵便局」で起きたものとしており、「松岡郵便局」という局名や被害者の氏名は記載していない。本記事で用いる「松岡郵便局」「大津豊記さん」という表記は、TOSテレビ大分やOBS大分放送などの報道に基づくものである。
1998年3月2日夜、郵便局の敷地内で事件発生
事件が起きたのは月曜日の夜だった。県警の公式資料も、発生日時を「平成10年3月2日(月)夜」と記している。
現場は大分市松岡にある松岡郵便局。
当時、郵便局長を務めていた大津さんが、郵便局の敷地内で何者かに襲われた。
大分放送の後年の報道によると、大津さんは胸などを鋭利な刃物で刺されていた。
犯行時刻は午後10時前とみられている。
大分県警の現在の公式資料では、より簡潔に、
「男性が刃物で刺されて殺害され、手提げバッグなどを奪われました」
という一文で事件が説明されている。
奪われた手提げバッグ
犯人は大津さんを襲った後、手提げバッグなどを奪って逃走した。
近年の報道では、このバッグには家族の通帳などが入っていたとされている。
ここで注意したいのは、公開されている報道から確認できる被害品は、大津さんや家族に関係する通帳などが入ったバッグだという点だ。
郵便局の現金が大量に奪われた事件だった、という情報は現在確認できる県警資料には記載されていない。県警資料が挙げている被害品も「手提げバッグなど」である。
警察は事件を「強盗殺人」として捜査しているが、犯人が最初から大津さんのバッグを狙っていたのか、現場で偶然奪うことになったのかなど、具体的な犯行計画は明らかになっていない。
約4時間半後に発見
大分放送が事件発生25年に合わせて報じた内容では、犯行は午後10時前とみられる一方、大津さんが発見されたのはおよそ4時間半後だったとされる。
同報道は、この時間差による初動の遅れが、その後の捜査にも影響したと伝えている。
犯行直後に現場が発見された事件ではなかった。
その間に犯人がどの方向へ逃げ、どこまで移動したのか。
現在もその足取りは判明していない。
現場に残された「約25センチ」の足跡 ― 報道による情報
この事件では、犯人像につながる可能性のある物証も残されていた。
報道によれば、現場には25センチ前後のスニーカーの足跡があった。
大分放送によれば、警察はこの足跡などを踏まえ、
- 犯人は単独犯
- 上背はそれほど高くない可能性
- 金品を狙った犯行
という見方で捜査してきた。
ただし、これは捜査上の見立てとして報じられた内容であり、
25センチの靴を履く人物=犯人
という意味ではない。
また、大分県警が公開している事件資料には、足跡をはじめとする遺留品や、犯人の年齢・性別・身長・服装といった人物像の記載は一切ない。この事件で語られる犯人像に関する情報は、いずれも報道を通じて伝えられたものである点に注意が必要だ。
郵便局西側に残されていた血痕 ― 報道による情報
報道によれば、事件後、松岡郵便局の西側の道路から、大津さんの血痕が発見された。
警察はこの血痕や現場の状況から、犯人が交通量の多い県道側を避け、郵便局裏側の駐車スペース方向から逃走した可能性をみていると報じられている。
もしこの見立てが正しければ、犯人は事件後、目立つ道路を避けるように現場を離れたことになる。
しかし、
- 徒歩で逃走したのか
- 途中から車を使用したのか
- 誰かが待っていたのか
- 周辺の土地勘があったのか
といった点は、公開情報からは分からない。
犯人は現場を知っていたのか
犯人が郵便局の裏側から逃走した可能性があることから、土地勘のある人物だったのではないかという疑問も生じる。
しかし、現在公開されている警察資料では、
犯人が松岡地区に詳しかった
と確定する情報は公表されていない。
夜間の現場で、人目につきにくい方向へ偶然逃げただけだった可能性もある。
逆に、事前に周辺を下見していた可能性も完全には否定できない。
いずれにしても、現在分かっている情報だけで犯人と地域との関係を断定することはできない。
144点を押収、それでも結び付かず
事件では多数の資料が捜査対象となった。
大分放送が2023年に事件25年として報じた際の見出しには「144点押収も…」とあり、現場などから押収された資料が144点に上ったことが伝えられている。これらについてDNA鑑定などの鑑定が行われたものの、犯人の特定につながる証拠は得られなかったとされる。
DNA鑑定を行えば必ず犯人に結び付くわけではない。
比較できる適切な試料が残っていなければ、人物の特定には至らない。
本事件でも、多くの物証を調べながら決定的な結果が得られなかった。
減り続ける情報提供
警察は長年にわたり事件に関する情報を集め続けてきた。
報道によれば、2023年時点で延べ約8万6000人の捜査員が投入され、寄せられた情報は約7000件に上っていた。
2025年3月の報道では、投入された捜査員が延べ約8万9000人に増えていた一方、その直前1年間に寄せられた新たな情報は1件にとどまっていた。
時間が経過するにつれて、事件に関する情報そのものが減少していることが分かる。
2026年、延べ9万1000人を投入しても未解決
そして2026年3月2日。
事件発生から28年を迎えた。
大分東警察署と大分県警捜査第一課は、松岡郵便局周辺のほか、JR大分駅でもチラシを配り、改めて情報提供を求めた。
この時点までに投入された捜査員は、延べ約9万1000人。
直近1年間に寄せられた情報は4件だった。前年の1件からは増えたものの、依然として極めて少ない。
大分東警察署の野田康弘刑事課長は、
「被害者ご遺族の無念を晴らすため、ぜひとも検挙したい。1件でも多くの情報提供をよろしくお願いします」
と呼びかけている。
現在も情報提供を受け付けている事件
大分県警の現在の「事件捜査にご協力を」ページには、
大分市松岡で発生した強盗殺人事件(平成10年3月発生)
として、本事件が掲載されている。同ページには、ほかに別府市の大学生2名に対する殺人等事件(令和4年6月発生)と、宇佐市四日市で発生した殺人事件(平成12年7月発生)が並んでいる。
県警は事件発生日に合わせて、現場周辺へのチラシ配布や駅での広報活動などを続けている。
つまり、古い事件資料がウェブ上に残されているだけではない。
現在も捜査と情報募集が続いている事件だ。
現在確認できること
県警の公開資料で確認できること
- 発生日時は平成10年(1998年)3月2日(月)夜
- 現場は大分市松岡の特定郵便局の敷地内
- 被害者は57歳の男性
- 男性は刃物で刺されて殺害された
- 手提げバッグなどが奪われた
- 事件は「強盗殺人事件」として扱われている
- 捜査本部は大分東警察署に置かれている(097-527-2131)
- 2025年12月10日更新の「事件捜査にご協力を」ページに現在も掲載されている
報道による情報(県警の公開資料では確認できないもの)
- 被害者の氏名は大津豊記さん
- 職業は松岡郵便局長
- 胸などを鋭利な刃物で刺されていた
- 犯行時刻は午後10時前とみられる
- 発見されたのは約4時間半後
- バッグには家族の通帳などが入っていた
- 現場に25センチ前後のスニーカーの足跡が残っていた
- 郵便局西側の道路から大津さんの血痕が見つかった
- 警察は単独犯・金品目的との見方で捜査してきた
- 押収資料は144点に上り、鑑定でも犯人特定に至らなかった
- 情報提供は約7000件、捜査員は2026年までに延べ約9万1000人
- 直近1年間の情報件数は2025年が1件、2026年が4件
現在も分かっていないこと
- 犯人の氏名
- 犯人の年齢
- 正確な身長や体格
- 犯人が使用した刃物の詳細
- 犯人と大津さんに面識があったのか
- 大津さんが狙われた経緯
- 犯人が郵便局周辺の事情を知っていたのか
- 事件後の正確な逃走経路
- 車などを使用したのか
- 奪ったバッグをその後どうしたのか
28年間にわたり多くの捜査員が投入されながら、最も重要な「誰がやったのか」という部分は明らかになっていない。
25センチの足跡を残して消えた犯人
現場には足跡があった。
血痕も残っていた。
奪われたバッグも分かっている。
警察は数千件の情報を集め、9万人を超える延べ人数の捜査員を投入した。
144点もの資料が押収され、鑑定にかけられた。
それでも、一人の人物へ結び付ける決定的な証拠にはならなかった。
1998年3月2日の夜。
松岡郵便局の敷地内で、大津豊記さんを襲った人物は誰だったのか。
なぜ大津さんを殺害するまでに至ったのか。
事件から28年以上が経過した2026年現在も、その答えは出ていない。
情報提供先
大分県警は、事件についてどんな些細な情報でも提供してほしいと呼びかけている。
大分東警察署 捜査本部 (〒870-0106 大分県大分市大字鶴崎2200番地の8)
電話:097-527-2131
県警の資料でも「どんな些細な事でも結構ですので、事件に関係すると思われる情報をお寄せください」と呼びかけられている。事件当時の現場周辺の状況や、事件について人から聞いた話など、直接犯行を目撃した情報に限らず連絡を求めている。
参考資料
- 大分県警察「事件捜査にご協力を」: https://www.pref.oita.jp/site/keisatu/tehaichu.html 「大分市松岡で発生した強盗殺人事件(平成10年3月発生)」として現在も掲載。ページ更新日は2025年12月10日。
- 大分県警察「大分市松岡で発生した強盗殺人事件」(PDF資料): https://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/2016905.pdf 発生日時「平成10年3月2日(月)夜」、発生場所「大分県大分市松岡の特定郵便局」敷地内、被害者「男性・57歳」、事件概要「男性が刃物で刺されて殺害され、手提げバッグなどを奪われました」、情報提供先「大分東警察署捜査本部(097-527-2131)」を確認。被害者の氏名、足跡などの遺留品、犯人の人物像に関する記載はない。
- TOSテレビ大分「【未解決事件】松岡郵便局長強盗殺人発生から28年 警察が現場周辺などでチラシ配り情報提供求める」(2026年3月2日): https://tosonline.jp/news/20260302/00000001.html 被害者名(大津豊記さん)、延べ約9万1000人の捜査員、直近1年間の情報提供4件、郵便局周辺とJR大分駅での広報活動、大分東警察署・野田康弘刑事課長のコメントを確認。
- TOSテレビ大分「松岡郵便局長強盗殺人事件 未解決のまま27年 県警が現場周辺などでチラシを配り情報提供求める」(2025年3月2日): https://tosonline.jp/news/20250302/00000003.html 延べ約8万9000人の捜査員、直近1年間の情報提供1件、警察官約30人によるチラシ配布を確認。
- 大分合同新聞「松岡郵便局強殺事件28年『一件でも多くの情報提供を』 大分県警が現場周辺や大分駅で呼びかけ」(2026年3月2日): https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2026/03/02/JDC2026030200386 28年後の広報活動について(有料記事のため本文の全文確認はできていない)。
- OBS大分放送「『殺害された主人もさぞ無念 遺族も残念でならない』松岡郵便局長 強盗殺人事件25年 144点押収も…」(2023年3月2日) 押収資料144点、犯行時刻、足跡、血痕、逃走方向についての警察の見立てなど。※本記事作成時点でアクセス制限により本文の再確認ができていないため、見出しから確認できる「144点押収」以外の細部は、当時の報道内容として扱う。
- OBS大分放送「松岡郵便局強盗殺人事件から28年 県警がビラ配りで情報提供呼びかけ」(2026年3月2日) 28年時点の捜査状況について(本文の再確認はできていない)。
※本記事は大分県警察の公開資料を最優先とし、被害者の氏名・職業、足跡や血痕といった遺留品、捜査上の見立て、捜査員数や情報提供件数などは、いずれも報道による情報として明確に区別している。県警の公開資料には遺留品や犯人像に関する記載がないため、報じられている犯人像はあくまで捜査上の見方として報道されたものであり、確定した事実ではない。


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