高岡市野村会社役員殺人事件|帰宅直後に自宅駐車場で刺殺、ライトを消して後退した車は何だったのか

2010年代

2013年12月10日の夜、富山県高岡市野村。会社役員の浜谷輝夫さん(当時52歳)は、午後8時半ごろに勤務先を出て車で自宅へ戻った。その直後、自宅の駐車場で何者かに刃物で襲われ、亡くなった。

勤務先を出てから襲われるまで、わずか15分ほどだった。富山県警は当時、犯人が自宅の周辺で浜谷さんの帰りを待ち伏せしていた可能性があるとみていた。現場の周辺では、身長175センチほどの黒っぽい服装の人物と、ライトを消したまま後退していく車が目撃されている。

事件から12年。富山県警は今も、当時の目撃情報に加え、現場の近くで撮られた写真や動画がクラウドに残っていないかと呼びかけている。

事件概要

項目内容
事件名平成25年高岡市野村地内における会社役員殺人事件
発生日時2013年12月10日(火)午後8時45分ごろ
場所富山県高岡市野村地内、高岡環状線沿い(被害者宅の駐車場)
被害者浜谷輝夫さん(当時52歳・会社役員)
状況帰宅した直後に刃物で刺され死亡
目撃情報身長175cmくらいの黒っぽい服装の人物、ライトを消して後退した車、現場横の駐車場に停まっていた車
凶器見つかっていない
捜査高岡警察署
現在未解決

帰宅から15分後の襲撃

当時の報道によれば、浜谷さんは事件の日の午後8時半ごろに勤務先を出た。浜谷さんは富山県内のメーカーの役員で、妻と2人で野村の自宅に暮らしていた。

午後8時45分ごろ、家の中にいた妻が外から聞こえた大きな声に気づいて外に出ると、自宅の駐車場で浜谷さんが血を流して倒れていた。浜谷さんは車から降りた直後に襲われたとみられている。通報を受けて病院へ運ばれたが、死亡が確認された。

浜谷さんの左右の肩のあたりには刺された傷があり、顔や手のひらには、抵抗したときについたとみられる切り傷が残っていた。県警は殺人事件として高岡警察署に捜査本部を置いた。

逃げていった男と2台の車

事件の直後、近所の住民が、黒っぽい服を着た背の高い男が走って逃げていくのを目撃していた。凶器は現場の周辺から見つかっておらず、県警は犯人が持ったまま逃げたとみた。

富山県警が現在も公開している目撃情報は、次の3つである。

  • 身長175センチくらい、黒っぽい服装の人物
  • ライトを消してバックしていた車
  • 現場の横の駐車場に停まっていた車

人物だけでなく、車が2台挙げられている点がこの事件の特徴である。ライトを点けずに後退していく車は、夜の住宅地では目立つ動きだ。一方で、これらの人物や車が事件とどう関係していたのか、県警は明らかにしていない。

捜査と謎・数々の説

警察の動向

富山県警は事件から12年たった今も、公式サイトの「捜査協力」のページにこの事件を掲載している。事件の日にあたる毎年12月10日には、高岡警察署と県警捜査第一課が高岡駅や現場近くのスーパーで情報提供を呼びかけてきた。2025年12月には約20人の捜査員がチラシ入りのポケットティッシュを配り、当時何気なく撮った写真や動画があれば提供してほしいと訴えた。2024年までに寄せられた情報は約80件だが、犯人の逮捕には至っていない。

残された謎

最大の謎は、犯人がなぜ浜谷さんの帰宅の時間を狙うことができたのかという点である。勤務先を出てから15分ほどで自宅に着き、車を降りた直後に襲われている。帰宅の時間や自宅の駐車場の位置を、犯人があらかじめ知っていた可能性がある。

逃げた人物と2台の車の関係も分かっていない。人物は走って逃げたと目撃されているが、ライトを消して後退した車や、現場の横に停まっていた車がその人物と関係していたのか、それとも事件とは無関係の車だったのかは公表されていない。

説1:浜谷さんを知っていた人物による犯行

帰宅直後という短い時間に、自宅の駐車場で襲っていることから、犯人は浜谷さんの生活を事前に知っていた人物ではないかという見方がある。県警が事件当時に待ち伏せの可能性を挙げていたこととも重なる。ただ、待ち伏せは面識がなくても可能であり、犯人と浜谷さんの関係について県警は何も公表していない。

説2:5か月前の空き巣との関わり

当時の報道によれば、浜谷さんの自宅は事件の5か月前の2013年7月、現金数十万円と貴金属を盗まれる空き巣の被害に遭っていた。県警はこの窃盗事件との関連も調べていると報じられた。同じ家が短い期間に2度狙われたことになるが、2つの事件が同じ人物によるものなのかは分かっていない。

車の役割をめぐる見方

ライトを消して後退する車が目撃されていることから、犯人が車で現場の近くまで来ていた、あるいは車を使う協力者がいたのではないかと考える人もいる。しかし目撃された人物は走って逃げており、車との関係は確認されていない。

未詳録の考察

この事件で印象に残るのは、犯行にかかった時間の短さと、目撃情報の多さが釣り合っていないことである。浜谷さんは車を降りた直後に襲われ、犯人はすぐに走り去った。それでも、逃げる男、ライトを消した車、駐車場の車と、少なくとも3つの目撃が残っている。

12年たって県警が呼びかけを「写真や動画」へと広げているのは、目撃者の記憶だけでは埋められない部分が残っているからだと考えられる。2013年は、すでに多くの人がスマートフォンで写真を撮り、自動でクラウドに保存されるようになっていた時期である。家族の写真や車の中から撮った動画の片隅に、あの夜の高岡環状線沿いの車や人が写っている可能性は、今も消えていない。

事件がもたらした影響・結末

時効のない時代の事件

殺人罪の公訴時効は2010年の刑事訴訟法改正で撤廃されており、2013年に起きたこの事件には最初から時効がない。県警が毎年呼びかけを続けているのは、捜査に期限がないためでもある。

「クラウドに残った記録」を求める呼びかけ

富山県警の事件ページは、現場の近くで撮影した画像だけでなく、クラウドに残っているデータにまで触れている。未解決事件の情報提供の呼びかけとしては珍しく、スマートフォンが普及した時代の事件ならではの捜査の手がかりを示している。自分のスマートフォンやパソコン、クラウドに、2013年12月10日前後の高岡市野村周辺の写真や動画が残っていないか、確かめてみる価値はある。

事件は現在も未解決

2026年10月現在、事件は解決していない。富山県警は、当時現場の近くを通った人の記憶や、写真・動画を含め、犯人につながる情報を求めている。

情報提供先

富山県 高岡警察署(刑事課)
電話:0766-23-0110

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参考資料

  • 富山県警察「平成25年高岡市野村地内における会社役員殺人事件に関する情報提供のお願い」
    https://police.pref.toyama.jp/6106/h25nomura.html
    発生日時、発生場所(高岡市野村地内 高岡環状線沿い)、目撃された人物と車両、写真・動画・クラウドのデータに関する呼びかけ、連絡先(高岡警察署 刑事課)を確認。
  • 富山県警察「捜査協力」
    https://police.pref.toyama.jp/anzen/seikatsuanzen/sousa/index.html
    本事件が現在も掲載されていることを確認。
  • 日本経済新聞「会社役員の男性刺され死亡 富山・高岡、殺人で捜査」(2013年12月)
    https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG11017_R11C13A2CC0000/
    発見の経緯、傷の状況、勤務先を出た時刻、待ち伏せの可能性、逃げる男の目撃、凶器が見つかっていないこと、5か月前の窃盗被害を確認。
  • 共同通信/山陽新聞「富山・高岡役員殺害で情報要請 発生12年、写真や動画提供を」(2025年12月10日)
    https://www.sanyonews.jp/article/1840860
    車から降りた直後に刺殺されたこと、約20人による呼びかけを確認。
  • 北陸中日新聞「高岡の殺人『情報提供して』 発生から11年経過」(2024年12月)
    https://www.chunichi.co.jp/article/997998
    約80件の情報が寄せられていることを確認。

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