2006年7月13日の夜。
岩手県一関市滝沢に住む59歳の男性が、市内の行きつけの飲食店で酒を飲んだあと、午後10時半ごろタクシーで自宅へ帰った。
男性の名前は、及川正雄(おいかわ・まさお)さん。当時は無職で、両親と3人でこの家に暮らしていた。
その時点までは、いつもと変わらない一日の終わりだった。
しかし翌14日の午前11時10分ごろ。なかなか起きてこない及川さんを心配した母親が2階の部屋へ向かうと、ベッドの上で倒れている及川さんを発見した。
首には、電気コードのようなものが巻かれていた。部屋には荒らされた形跡があり、財布や現金などもなくなっていた。
岩手県警は強盗殺人事件として一関警察署に捜査本部を設置した。
それから20年。2026年現在も、犯人は捕まっていない。
目次
- 事件概要
- 7月13日夕方、及川さんは市内へ出掛けた
- 午後10時半ごろ、自宅へ帰宅
- 翌朝、母親が2階の部屋へ
- 首には電気コードのようなもの
- 犯人はどうやって家へ入ったのか
- 両親は異変に気付かなかったのか
- 犯人像は公表されていない
- 不可解な5つのポイント
- 2026年現在も捜査本部を維持
- 午後10時半までの日常と、その後の空白
- 参考資料
事件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発覚 | 2006年7月14日 午前11時10分ごろ |
| 発生 | 2006年7月13日夜~14日朝の間 |
| 場所 | 岩手県一関市滝沢(字九鬼) |
| 被害者 | 及川正雄さん |
| 当時の年齢 | 59歳 |
| 当時の身分 | 無職、両親と3人暮らし |
| 最後に確認された行動 | 7月13日午後10時半ごろ、タクシーで帰宅 |
| 発見場所 | 自宅2階の寝室 |
| 発見時の状況 | ベッド上で倒れ、首に電気コード様のもの |
| 室内 | 荒らされた形跡あり |
| 被害 | 財布・現金などが盗まれた |
| 死因 | コード様のもので首を絞められたことによる窒息死 |
| 事件 | 強盗殺人 |
| 2026年現在 | 未解決 |
岩手県警が現在使用している事件名は、
「一関市滝沢地内における強盗殺人事件」
である。
7月13日夕方、及川さんは市内へ出掛けた
事件前日の2006年7月13日。及川さんは夕方から一関市内へ出掛けている。向かった先は、普段から利用していた行きつけの飲食店だった。
そこで酒を飲み、ほろ酔いの状態で店をあとにした。そして午後10時半ごろ、タクシーに乗って自宅へ帰ったことが確認されている。
岩手県警によると、この日の一関地方は夜になっても気温が20度前後あり、蒸し暑い夜だったという。事件当夜が、決して特別な、身構えるような夜ではなかったことがうかがえる。
午後10時半ごろ、自宅へ帰宅
タクシーで自宅へ戻った及川さん。岩手県警は、及川さんがその後2階の寝室へ入り、外出時の服から着替えたとみている。
ここまでは、普段の日常と変わらない行動だった。
しかし、帰宅後から翌午前11時10分ごろの発見までの間に、及川さんは何者かに襲われたとみられる。現在公開されている岩手県警の資料では、正確な死亡時刻までは示されていない。
つまり、およそ12時間半という長い空白の中に、事件の発生時刻が埋もれてしまっているということになる。
翌朝、母親が2階の部屋へ
7月14日。午前11時を過ぎても、及川さんは起きてこなかった。同じ住宅で暮らしていた母親が様子を確認するため、2階にある及川さんの部屋へ入った。
そこで、ベッドの上に倒れている及川さんを発見した。母親は近所の人を通じて119番通報。救急隊が到着した時には、すでに及川さんは死亡していた。
普段どおりの朝が、この瞬間から一変したことになる。
首には電気コードのようなもの
及川さんの首には、電気コードのようなものが巻かれていた。さらに、部屋の中には荒らされた形跡があった。財布や現金などもなくなっていた。
こうした状況から、岩手県警は単なる殺人ではなく強盗殺人事件として捜査を開始。一関警察署に捜査本部を設置した。
ただし現在の公式資料には、財布にどの程度の現金が入っていたのか、ほかに具体的に何が盗まれたのかまでは詳細に記載されていない。
犯人はどうやって家へ入ったのか
この事件で大きな疑問となるのが、犯人の侵入経路である。
及川さんは両親と3人で暮らしていた。事件現場は、一人暮らしの住宅ではない。それにもかかわらず、何者かが2階の寝室で及川さんを襲ったとみられている。
しかし現在の岩手県警公式ページには、玄関や窓が壊されていたのか、施錠状態がどうだったのかといった情報は掲載されていない。
したがって、
- 「犯人は顔見知りだった」
- 「家の構造をあらかじめ知っていた」
などと断定することはできない。
両親は異変に気付かなかったのか
及川さんは両親と同じ住宅で生活していた。そのため、事件が起きた際に大きな物音がしなかったのかという疑問も残る。
しかし、
- 事件当夜に両親が何を聞いたのか
- 物音があったのか
- 犯人と及川さんの間に会話があったのか
そうした情報は、現在公開されている公式資料には記載されていない。公開情報だけから、犯行時の状況を詳しく再現することはできないのが実情である。
犯人像は公表されていない
20年以上が経過した現在も、岩手県警の事件ページには具体的な犯人像が掲載されていない。
- 似顔絵
- 身長
- 年齢
- 服装
- 使用車両
こうした特徴は公表されていない。警察は、犯人に心当たりがある人、事件について何か知っている人、事件当時に現場付近を通行した人などから、広く情報を求めている。
不可解な5つのポイント
1. 犯人はなぜ及川さんを狙ったのか
部屋は荒らされ、財布などがなくなっていた。そのため警察は強盗殺人事件として捜査している。しかし、
- 最初から金銭目的で住宅へ侵入したのか
- 及川さん自身を狙っていたのか
- 侵入後に及川さんと遭遇して殺害へ至ったのか
犯行の経緯は公表されていない。
2. 午後10時半以降、誰が及川さんと接触したのか
及川さんがタクシーで帰宅したのは、午後10時半ごろ。ここまでは足取りが確認されている。問題は、帰宅後から翌午前11時10分の発見までの間である。
- この間に誰が住宅を訪れたのか
- 及川さんが再び外へ出たのか
- 誰かと連絡を取ったのか
現在の公式資料からは分からない。
3. 犯人はどうやって住宅へ出入りしたのか
及川さんは両親と暮らしていた。そこで殺人を行い、財布などを持ち去り、そのまま逃走した。にもかかわらず、侵入経路も逃走経路も一般には明らかにされていない。住宅への出入りを目撃した人物がいたのかどうかも、公表資料からは確認できない。
4. なぜ財布を奪うために殺害する必要があったのか
仮に金銭目的だったとしても、なぜ殺害にまで至ったのか。
- 顔を見られたためなのか
- 抵抗されたのか
- 犯人と被害者がもともと面識を持っていたのか
現在まで犯人が捕まっていないため、動機も解明されていない。
5. 20年間、なぜ犯人につながる情報が出ないのか
事件は2006年に発生した。現在ほど住宅や道路に防犯カメラが普及していなかった時代ではある。それでも、一関警察署は20年間捜査を継続している。
2026年4月、一関警察署長はこの事件を「当署の最大の懸案」と位置付けた。そして事件発生から20年を迎えても、現在なお捜査本部を置いて捜査を続けていると明らかにしている。
2026年現在も捜査本部を維持
この事件は、過去の事件として捜査が終了したわけではない。
2026年4月30日に更新された一関警察署長のメッセージでは、事件発生から20年が経過する現在も捜査本部を設置し、捜査を継続していると明記されている。
さらに同年7月に更新された一関警察署の公式ページにも、この強盗殺人事件への情報提供依頼が掲載され続けている。
情報提供先は以下の通りである。
- 一関警察署 捜査本部:0191-21-0110
- 岩手県警察本部 捜査第一課:019-653-0110
岩手県警は現在も、どんな些細な情報でも寄せてほしいとしている。
午後10時半までの日常と、その後の空白
2006年7月13日。及川正雄さんは市内へ出掛けた。行きつけの店で酒を飲み、午後10時半ごろ、タクシーで自宅へ帰った。
そこまでは、ごく普通の一日だった。
しかし翌朝、及川さんは2階の寝室で死亡しているのを発見された。首には電気コードのようなもの。荒らされた部屋。消えた財布。
そして、犯人は20年経った現在も特定されていない。
午後10時半から翌朝までの間に、及川さんの家で一体何が起きたのか。一関警察署は2026年現在も、その答えを追い続けている。
参考資料
岩手県警察「平成18年7月 一関市滝沢地内の強盗殺人事件に関する情報をお寄せください」
岩手県警察・事件専用ページ
岩手県警察「一関警察署長からのメッセージ」
2026年 一関警察署長メッセージ
岩手県警察「一関警察署からのお知らせ」
一関警察署・現在のお知らせ


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