坂出市加茂町女性社長殺人事件|クリスマスの夜、自動車整備工場の事務所で65歳社長を襲ったのは誰なのか

1990年代

1997年12月25日、クリスマスの夜。香川県坂出市加茂町にあった「有限会社旭自動車整備工場」の事務所で、社長の松下菊江さん(当時65歳)が何者かに殺害されました。

香川県警によれば、事件が起きたのは12月25日から翌26日にかけてです。現場は、松下さんが自ら経営していた会社の事務所でした。29年近くたった2026年の今も、犯人は分かっていません。

香川県警はこの事件を、県内に残る3件の未解決殺人事件の一つとして、今も情報を求め続けています。

事件概要

項目内容
発生1997年12月25日から26日にかけて
場所香川県坂出市加茂町
現場有限会社旭自動車整備工場の事務所
被害者社長の松下菊江さん(当時65歳)
被害状況頭部を殴られて殺害された(報道による)
情報この事件単独で43件(2025年9月末まで)
懸賞金上限100万円
現在未解決

年の瀬の自動車整備工場

事件が起きたのは、1997年12月25日から26日にかけてです。現場の旭自動車整備工場は、松下さんが社長を務める会社でした。

香川県警が公開している情報は、驚くほど少ないのです。分かるのは、事件の日付と場所、松下さんの名前と年齢、そして何者かに殺害されたということだけ。犯人の性別や年齢、服装、目撃された車、侵入した経路といった、犯人像につながる情報は一つも載っていません。

頭部を殴られていた

2023年のRSK山陽放送の報道によれば、松下さんは頭部を殴られて殺害されていました。何らかの鈍器が使われたとみられますが、香川県警は凶器について公表していません。古い記録の中には凶器を具体的に書いたものもありますが、現在の県警の資料や近年の報道では確認できないため、ここでは触れないことにします。

3件の未解決殺人事件

香川県には、この事件のほかにも長く解決していない殺人事件が2件あります。同じ1997年の3月に、女子高校生がJR詫間駅前のコンビニを出たまま行方不明になり、旧琴南町の山中で遺体で見つかった事件。そして2005年3月に、東かがわ市三本松で一人暮らしの71歳の女性が自宅で殺害された事件です。

香川県警はこの3件をまとめて、懸賞金を設けて情報を求めています。ただし、3件につながりがあるという情報はありません。それぞれ別の事件として考える必要があります。

捜査と謎・数々の説

警察の動向

2024年11月の時点で、3事件に投入された捜査員は延べ約13万3000人にのぼります。2026年8月までに3事件に寄せられた情報は計380件で、そのうち坂出の事件単独では、2025年9月末までに43件でした。

2025年10月には、香川県警の小林雅彦本部長ら約30人が坂出市のスーパーでチラシを配り、情報提供を呼びかけています。犯人逮捕に結び付く最も有力な情報には、上限100万円の懸賞金が支払われます。懸賞金は事件の「被害者の会」が支払い、香川県警察協会が支援するもので、2026年8月1日からの延長は16回目になりました。

残された謎

最大の謎は、なぜ松下さんが自分の会社の事務所で襲われたのかです。県警は、金品がなくなっていたかどうかも、事務所が荒らされていたかどうかも公表していません。そのため、お金が目的だったのか、松下さん自身が目的だったのかも分からないのです。

もう一つ気になるのが、県警が「25日から翌26日にかけて」と日付に幅を持たせていることです。犯行の時刻がはっきりしないということは、松下さんが襲われてから見つかるまでに、ある程度の時間がたっていたのかもしれません。

説1:年末の事務所を狙った侵入者

年の瀬の会社には、取引の支払いや売上の現金が置かれていることがあります。そうした事務所を狙った人物が忍び込み、残っていた松下さんと鉢合わせになったという見方です。ただし、金品が奪われたという情報は公表されておらず、この見方を裏付けるものもありません。

説2:松下さんが事務所にいると知っていた人物

夜の事務所に社長が一人でいることを知っていたのは、ある程度会社の事情を知る人物ではないかという見方もあります。ただ、整備工場は多くの客が出入りする場所で、松下さんの仕事ぶりを知っていた人は少なくなかったはずです。この見方から特定の誰かを思い描くことはできませんし、すべきでもないと考えます。

未詳録の考察

この事件で私が一番引っかかるのは、事件が起きたのが「クリスマスの夜の事務所」だったことです。

クリスマスだから事件が起きたと考える根拠はありません。ただ、12月25日は年の瀬のただ中です。自動車整備工場にとって、年末は年越し前の点検や修理、取引先への支払いの整理などで忙しくなる時期ではないでしょうか。65歳の社長が夜まで事務所に残っていたとしても、少しも不思議ではないのです。

だとすれば、犯人は「年末の夜でも事務所に人がいるかもしれない」と考えていたのか、それとも誰もいないと思って入ったのか。そこが、この事件を読み解く分かれ目になるのではないかと考えます。前者なら松下さんを知る人物、後者なら偶然の鉢合わせという見方に近づきます。公開されている情報からはどちらとも言えませんが、私は、県警が日付に幅を持たせていることが一つのヒントだと思っています。夜遅くに起きた事件だったからこそ、誰にも気づかれないまま朝を迎えたのかもしれません。

そしてもう一つ、43件という数字にも考えさせられます。28年近くで43件、1年に1件か2件しか情報が届いていないことになります。けれど、1997年のクリスマスという日付は、多くの人にとって思い出しやすい日のはずです。あの年のクリスマスに加茂町で見かけた車や人を覚えている人が、まだどこかにいるのではないでしょうか。29年前だから意味がないのではなく、29年前の特別な日だからこそ思い出せることがある。私はそう考えます!

事件がもたらした影響・結末

遺族が支え続ける懸賞金

懸賞金は、事件ごとに作られた「被害者の会」が支払う仕組みで、16回にわたって延長されてきました。29年近くたっても、事件を終わらせまいとする人たちがいることを示しているのです。

時効のない事件として

殺人罪の公訴時効は2010年に撤廃され、まだ時効を迎えていなかったこの事件にも適用されました。1997年の事件は、当時の法律のままなら2012年12月に時効を迎えていたはずです。撤廃によって、今も捜査を続けることができます。

事件は現在も未解決

2026年10月現在、事件は解決していません。2026年12月25日で、事件から29年を迎えます。

情報提供先

香川県警察 坂出警察署
電話:0877-46-0110

香川県警察本部 刑事部捜査第一課(3事件共通フリーダイヤル)
電話:0120-120-016

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参考資料

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