越谷市川柳町男性殺人事件|台風の夜に侵入した男は、13歳の長女に「お前に用はない」と告げた

2010年代

2013年10月16日の未明、台風26号が関東に近づき、強い雨と風が続いていた。埼玉県越谷市川柳町の住宅に何者かが侵入し、この家に住む父親が胸などを刺されて殺害された。

当時の報道によれば、侵入した男は2階で13歳の長女と出くわしている。男は長女に年齢を尋ね、13歳と答えると手足を粘着テープで縛り、「お前に用はない」という趣旨の言葉を口にしたという。長女は顔を殴られたが、命は奪われなかった。

男は何をしにこの家へ入ったのか。事件から13年たった今も、犯人は分かっていない。

事件概要

項目内容
事件名越谷市川柳町地内の男性殺人事件
発生2013年10月16日未明
場所埼玉県越谷市川柳町の住宅
被害者家に住む男性(当時54歳)
状況自宅1階で胸などを刺されて死亡
家族妻、長女(13歳)、次女(10歳)が在宅(報道による)
天候台風26号が接近し、強い風雨
捜査越谷警察署
現在未解決

埼玉県警の事件ページは、被害者を「家人の男性(当時54歳)」としていて、氏名や家族構成は載せていません。被害者の名前や事件当夜の詳しい状況は、2013年当時の報道によるものです。

台風の夜、1階で倒れていた父親

当時の報道によれば、亡くなったのはトラック運転手の速水謙一さん(当時54歳)。妻、中学生の長女、小学生の次女との4人で暮らしていた。

速水さんは普段2階の自室で寝ていたが、事件の数日前から部屋を片付けていて、その間は1階のリビングに布団を敷いて寝ていたという。事件の前夜も午後10時半ごろにリビングで床についた。妻と次女、長女は2階の別々の部屋で寝ていた。

10月16日午前3時35分ごろ、妻から「夫が血まみれで倒れている」と110番通報があった。速水さんはリビングの壁に寄りかかるように座った状態で見つかり、胸には刃物による傷が複数あった。病院へ運ばれたが、約2時間後に出血性ショックで亡くなった。

速水さんはこの日早朝の勤務で、朝5時には家を出る予定だったと報じられている。布団がたたまれていたことから、侵入者が入ってきたとき、速水さんはすでに起きていた可能性がある。

窓ガラスを焼き破って侵入

リビングの向かいにある1階の和室では、窓ガラスが割られ、鍵が開けられていた。和室には土足の跡も残っていた。当時の報道では、バーナーなどで窓ガラスを熱したあとに冷やして割る「焼き破り」の手口が使われた可能性が高いとされた。音を立てずに窓を開けるための、空き巣の手口として知られる方法である。

埼玉県警の現在の事件ページには、侵入の方法についての記載はない。

2階で長女と出くわした男

報道によれば、2階の自室で寝ていた長女は、2段ベッドのはしごを上る音で目を覚ました。部屋の中に男がいた。男は長女に「何歳か」と尋ね、長女が13歳と答えると、粘着テープで手足を縛り、「お前に用はない」という趣旨のことを言ったという。長女が悲鳴を上げると、男は「静かにしろ」と言って長女の左頬を1回殴り、部屋を出ていった。

長女は2階から1階へ下りていく黒っぽい服の男を目にし、自分でテープをほどいて、別の部屋で寝ていた母親に知らせた。1階へ下りた妻が、倒れている速水さんを見つけた。

長女は男について、やせ型で黒い上着を着ており、「知らない人だった」と話したと報じられている。捜査本部は、速水さんを襲った人物と長女の部屋に入った男を同じ人物とみている。

捜査と謎・数々の説

警察の動向

埼玉県警は越谷警察署に捜査本部を置き、事件から1週間で延べ600人を超える捜査員を投入し、周辺の約290世帯に聞き込みを行ったと報じられた。長女の手足を縛った粘着テープは、家にあったものではなく、侵入者が持ち込んだ可能性が高いとみられていた。

事件から13年たった今も、埼玉県警は「未解決凶悪事件」の一覧にこの事件を掲載している。事件ページは2025年12月に更新され、犯人を知っている人、現場の近くで不審な人物や車を見た人からの情報を求めている。

残された謎

最大の謎は、犯人の目的が分からないことである。速水さんのバッグからは財布がなくなっていたが、家の中を物色した跡はなく、妻の財布や通帳は残されていた。金品が目的なら、なぜ家の中を探さずに2階の子ども部屋に入ったのか。速水さんへの恨みが目的なら、なぜわざわざ2階へ上がって長女に姿を見せたのか。当時の報道でも、どちらの見方でも説明がつかない点として取り上げられていた。

男が1階と2階のどちらに先に行ったのかも公表されていない。長女は、男が2階から1階へ下りていくのを見ているが、その前に速水さんが襲われていたのかどうかは分かっていない。

説1:特定の人物を探していた

男が長女に年齢を尋ね、「お前に用はない」と言ったことから、男は家の中で特定の誰かを探していたのではないかという見方がある。速水さんは普段2階で寝ていたが、事件の数日前から1階で寝ていた。もし男が速水さんを狙い、いつもの寝室がある2階を探していたのだとすれば、2階へ上がった理由の説明はつく。ただし、速水さんの周辺にトラブルは確認されていないと報じられている。

説2:空き巣に入り、家の人と鉢合わせた

焼き破りは空き巣がよく使う手口で、近所では以前から空き巣が相次いでいたと報じられている。捜査本部もその関連を調べていた。速水さんは早朝の勤務に備えて起きていたとみられ、侵入した男と鉢合わせになった可能性がある。ただ、この見方では、男が金品を探さずに2階へ上がり、長女に年齢を尋ねた理由が分からない。

説3:人違いだった

「お前に用はない」という言葉から、男が別の家や別の人物と間違えて入ったのではないかと考える人もいる。しかし、これを裏付ける情報は公表されておらず、推測の域を出ない。

未詳録の考察

この事件で目を引くのは、犯人の準備のよさと、行動のちぐはぐさが同居していることである。窓を音もなく開ける焼き破りの手口を使い、粘着テープまで持ち込んでいた。人を縛ることを想定して家に入ったと考えるのが自然だろう。

その一方で、男は家の中を物色せず、2階で長女に年齢を尋ね、姿を見られたまま去っている。準備をしてまで入った家で、男が探していたものは何だったのか。「お前に用はない」という言葉は、男に目当てがあったことをうかがわせるが、それが人なのか物なのかすら分かっていない。

台風の風雨は、侵入の物音をかき消し、外を歩く人の記憶も曖昧にしたかもしれない。事件の直前、近所では紺色のカッパを着た人物が歩いているのが目撃されていたとも報じられたが、その人物と事件の関係は確認されていない。

事件がもたらした影響・結末

家族が在宅中の住宅で起きた事件

この事件は、家族4人が全員家にいる深夜に起きた。焼き破りは、窓の鍵が閉まっていても数十秒で開けられてしまう手口として知られている。補助錠や防犯フィルム、ガラスが割れると鳴る防犯センサーなど、窓からの侵入を遅らせる備えは、留守中だけでなく在宅中の住宅にとっても意味がある。

時効のない時代の事件

殺人罪の公訴時効は2010年に撤廃されており、2013年に起きたこの事件には時効がない。13年たった今も、埼玉県警は捜査を続けている。

事件は現在も未解決

2026年10月現在、事件は解決していない。当時13歳だった長女は、今は20代半ばになっている。県警は、どんな小さな情報でも寄せてほしいとしている。

情報提供先

埼玉県 越谷警察署 刑事課
電話:048-964-0110(代表)
フリーダイヤル:0120-754-555

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参考資料

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